進路と抱負

はじめに

こんにちは。@0meoです。

大学院3年、大学2年、高専5年と、気付いたら10年間も学生という身分を過ごしていました。

新年度からはメルカリのソフトウェアエンジニアとして働きます。自分の会社、契約社員、業務委託、パートタイムとこれまで様々な形態で働いてきましたが、正社員は初めてなので新鮮な気分です。新卒採用の枠組みでの入社となりますので、これで晴れて #駆け出しエンジニア*1 を名乗れるというものです。

せっかくなのでどのような意思決定のプロセスがあったかを文章に残しておこうと思います。

メルカリを選ぶまで

2022年4月から新卒入社するにあたって、2021年2月頃までに8社*2からオファーを頂きました。

自分の周りの優秀なエンジニア仲間は狙った会社を1, 2社受けて新卒内定をもらう方がほとんどなのですが、自分は多めに受けた中から絞り込んでいく意思決定のプロセスを大事にしたいと決めていました。企業に対する志望度は選考を受けている途中に第一志望が最下位、あるいは最下位が第一志望に変わるほど大きく振れますし、企業間で相対的なものでもあります。何より自分自身の考え方自体も変化し、気づかなかった自分に気付くことさえあります。そういった背景でいくつかの選択肢を頂いたのですが、同時に過去に就職と進学の選択肢で悩んだときと同じくらい、人生で最も悩みました。

meokz.hatenablog.com

2019年の学部での就活、2017年の高専での就活は以下のような点を重視していたと記憶しています。

  • 組織の技術力の高さ
  • プロダクトの社会的貢献度
  • エンジニアに与えられる裁量

今回の就活でもこれらの重要性は変わってないものの、一方でこれらの条件を満たした企業の選考を受けているというフィルターがかかるので、頂いたオファーのうちどれを選択するかという意思決定のプロセスにはほとんど影響しませんでした。

一方で、最も意思決定に影響を及ぼした変数は何だったかというと、人事の方々の対応でした。例えば、『自分から応募する気持ちすらなく仲介人の紹介で選考に乗ったが、人事の方の手厚いフォローによって最終的にメルカリと並んで最後の2択まで悩むことになった』『幼かった頃から働くことを思い描いていた企業だったが、合否の連絡が指定された期限よりも4ヶ月も遅れて来た』『第一志望で最も早く内定をもらっていたが、内定通知書がいつまでも送られてこず、不安になって他の会社の選考を増やした結果、より自分に合う企業が見つかってしまった』などのケースがありました。ちなみにメルカリの場合も最初の志望度は低かったのですが最終面談で上がりました。

さて、技術力やプロダクト、裁量では比較検討がしづらいとお話しましたが、そんな中で自分が新たに採用した指標は「自分がどれだけ事業に貢献できるかと、事業がどれだけ自分に成長の機会を与えてくれるかという2変数を最大化する」というものでした。これは、事業に貢献できるロールやドメインは比較的成長の余地がなく、一方で事業に貢献できないロールやドメインは成長の余地はあるもののストレスが多くなる、というトレードオフを鑑みてのことです。冒頭で述べた通り、自分は今までにいくつかの業務形態でエンジニアとして働いてきましたが、成長の機会のみを重視し結果的にストレスを抱えて潰れてしまうことが多く、反対に成長のない現場で飽きを感じた経験もあったことから、今回はそのトレードオフを考慮してみようという試みでした。これとは別に、今後のキャリア、リモート有無、オフィスの場所、求められるロールなど細かい指標を並べて二次元表を作ってみましたが、単純比較のできないカオスなエクセルができあがってしまっただけだったので、この指標はかなり意思決定に役に立ちました。

結果として、事業に貢献できることと成長の機会を両立できると(現時点の情報で)推察したメルカリが残りました。ソフトウェアエンジニアとして最低限のスキルセットを持っていて、自身でスマホアプリのサービス運営の経験があるためチームに貢献はできるはず、一方でコミュニケーションの公用語(英語)はネイティブレベルとは程遠いので成長しかない、といった具合です。また、メルカリ規模のサービスでのプロダクト施策に関して学べる余地があればと期待しています。PdMのロールではないものの、今後はプロダクトの施策に積極的に関わっていきたいと考えています。

2021年秋に1月半ほど配属先のチームでインターンをしましたがこの推察は概ね合ってるのではないかと思っています。何よりインターン中のチームの皆さんのことが大好きになったので、4月から一緒に働けることを心待ちにしています。

↓2017年のインターンの様子。2017年のインターン生の同期はもうほとんどメルカリを離れているので、それもなにか新鮮な気持ちがします

meokz.hatenablog.com

今後のこと

最後に少し今後のことについて語りたいと思います。

2017年の大学に入って1年目時点の記事では、以下の3点をやりたいこととして掲げていました。

meokz.hatenablog.com

SIGGRAPHは以前の記事で述べたので省略しますが、一番難しいだろうなぁと思っていた未踏では、スーパークリエータを頂き、その後の未踏アドバンスドにも採択されました。論文を書く研究インターンに参加するについては、サイバーエージェントのAILabで2ヶ月間お世話になりました。広告の自動生成技術の一要素について研究し、JSAI 2021で発表させて頂きました。AILabには素晴らしい研究者の方々が揃っており、研究者として生きていくのであれば間違いなく最高の選択肢の1つだと思います。研究成果とその社会実装もクールで、非常におすすめです。

cyberagent.ai

目標を達成できたのは喜ばしい一方で、どうも特に未踏アドバンスド後は燃え尽き症候群のようなガス欠感が1年以上続いており、どうしたものかと悩んでいます。この2年くらい、自分で会社をやってみて、様々な施策を打った結果多くの学習があった一方、自身のビジネス力やマーケティング力には欠如を感じました。会社や個人事業主での受託あるいは自社サービスで売上を上げるという体験を積むことはできましたがスケール可能ではないという点で大きく自分の力不足を感じます。

次の10年くらいは、「スケール可能な事業を作る」を目標に、直近は自分に不足している領域を学習する機会としていきたいです。本業とは別に、副業で自分の会社と個人事業は続けていくので、楽しそうな仕事があったら声をかけてください。

*1:#駆け出しエンジニア のハッシュタグTwitterの自己紹介に付けると変なDMがいっぱい飛んでくるのでおすすめしません。

*2:会社ごと買収や、実質選考なしのオファーを除いたカウント